Linux + WinNT ++ mini-HOWTO
  Kurt Swendson
  v1.0, 21 December 1996
  中谷千絵, jeanne@mbox.kyoto-inet.or.jp
  v1.0j, 09 May 1997

  Linux とプリインストールされた NT を共存させる方法

  1.  はじめに

  この mini HOWTO は、1台のコンピュータに Linux と Windows NT をインス
  トールする方法について説明しています。"まずご使用の C ドライブにある
  Windows NT を削除"してから始めるという大部分の HOWTO の類とは違って、
  この HOWTO ではドライブにあるデータを壊さないで、Linux をインストール
  できるようにしています。

  内容を簡単に要約します。私は、Walnut Creek Slackware 3.0.0 CD rom と
  DOS のシステムディスクを使って始めました。Linux用 のパーティションを作
  成するために、CD にあった Fips を使いました。それから、DOS のシステム
  ディスクで Linux をブートするために CD に入っていた Loadlin プログラム
  を使いました。それから C ドライブに DOS のシステムファイルをコピーし、
  NT をブートする際の選択の1項目として loadlin が入るように BOOT.INI を
  編集しました。それで全部です。

  2.  インストールについて

  もう少し詳しく書きましょう。

  NT と 95 以前のことを思いだすと、 PC はオペレーティングシステムとして
  DOS を持っていました。Windows 3.1 は DOS のなかでのプログラムとして動
  作します。** 基本的 ** なオペレーティングシステムとして DOS を使ってい
  ろいろな種類の Linux をインストールできます。すべての作業は Windows を
  離れて行っていました。DOS プロンプトでは、fdisk のようなさまざまなシス
  テムを変更するような作業を行うことができますし、 Linux のインストール
  もできます。NT が登場した時、NT は完全なオペレーティングシステムになり
  ました。

  確かに 、NT オペレーティングシステムのなかで動作するプログラムとして
  DOS シェルがありますが、インストールのために Windows NT の外に出ること
  はできません。コンピュータのスイッチを入れたなら、終了するまで、つまり
  あなたがコンピュータのスイッチを切って NT を終了させてしまうまで自動的
  に NT のなかにいることになるのです。

  インストールを始める前に、私は、DOS コンピュータで COMMAND.COM、
  DEFRAG.EXE、 DEFRAG.HLP、FORMAT.COM そして SYS.COM を含むシステムフ
  ロッピーを作成しました。CD-ROM から fips を入手し、それもまたディスク
  上に置きました。

  デフラグを使って、ディスク上に空き領域を作り、fips でディスクを安全に
  再構成しました。CD-ROM には fips を使う方法(訳注*)についてよくまとまっ
  た説明書がありました。私は Linux をインストールするために他の HOWTO も
  探しました。

  訳注*:fips については、fips.doc や fips.faq がありますのでご参考くだ
  さい。

  その後で私は大失敗をしてしまいました。私は LILO をインストールしまし
  た。LILO が MBR を上書きしてしまい、事実上 LILO は私のコンピュータを
  kill してしまいました。MBR をちゃんとすることができる人もいるとは思い
  ますが、私の場合、ハードドライブを完全に消しさってしまい、すべてのもの
  を最初から再インストールしました。念のために記しておきますが、私は資料
  を探しまわり、MS Knowledge Base(MS の利用ヒント集)を見つけました。そし
  て、 MBR を回復させようとしましたが、全然動きませんでした。すべてを再
  インストールするのが最も簡単な方法でした。)

  3.  Loadlin を使う

  このことが loadlin を調べるきっかけになりました。Loadlin は Linux をブ
  ートするために DOS プロンプトから動作するプログラムです。Loadlin は
  gzip 形式で Linux 配布物に入っています。実際の loadlin プログラムと一
  緒によくまとまった説明書と FAQ があります。私は、DOS のシステムディス
  クでコンピュータを起動し、loadlin を動作させました。Linux のブートフ
  ロッピーを使用したのとほとんど同じように、Linux は完璧に起動しました。

  そこで、手動で何回か試した後、私は DOS を使ってコンピュータを始動させ
  ることができました。そして、autoexec.bat で Linux を始動しました。もち
  ろん私は再度 MBR を上書きするつもりはありませんでした。

  Windows NT コンピュータを始動する時、何が起こるかを観察しましょう。標
  準の NT が始動する時、ほんのしばらくの間、(たぶん)次のような画面を表示
  します。

       1. BIOS 画面表示
       2. Press <F1> to enter Setup message
       3. OS Loader v 3.51
               始動するオペレーティングシステムを選択してください。
               Windows NT Workstation Version 3.51
               Windows NT Workstation Version 3.51 (VGA Mode)

  このようなものを表示するはずです。コントロールパネルのなかの System に
  関することを思い出してください。OS ローダメニューのオプションのリスト
  を確認しましょう。loadlin を動作させる DOS の autoexec.bat はなぜメ
  ニューに加わらないのでしょうか。

  その答えは Microsoft Knowledge Base (Microsoft の基礎知識) の Q153762
  番 " Windows NT をインストール後に二重ブートを設定する" という項目にあ
  ります。Bill Gates さん、当然ながら私はあなたを注釈に使いましたが、 盗
  用だと言って私のことをあなたの弁護士さんに知らせないでね。

  Linux でこのようにするなら、つまり、ちょっと熱心に多くの HOWTO を調べ
  るなら、そこから導かれる多くの情報があり、多くのことが学べるので、基礎
  知識をチェックした方がいいでしょう。 それぞれの記事は、関連する課題に
  ついてさらに多くの情報を得られるように検索できるキーワードを示唆してい
  ます。

  話をもとに戻しましょう。不運にもあなたは NTFS ファイルシステムを使って
  NT オペレーティングシステムを動作させることができない状態にいます。あ
  なたはまだ古い FAT フォーマットを使う状態にいなければなりません。

  DOS のシステムディスクを使ってコンピュータを始動します。そして、 "sys
  a: c:" と入力します。完了すれば、システム転送は完了というメッセージを
  表示します。

  コンピュータをリブートします。DOS で始動します。(注意: 私の注意にした
  がい、すでに loadlin が動作する autoexec.bat ファイルを作成しているな
  ら、これはよくないかもしれません。リブートする前にそれをリネームする
  か、削除して、一時的に autoexec.bat ファイルを無効にします。)

  ルートディレクトリに command.com をコピーし、autoexec.bat を組み込みま
  す。(ここで DOS のインストールを完了したいならできます。結局、 基礎知
  識 (knowledge base)の記述の公的な目的は DOS の二重ブートなのです。)

  NT のセットアップディスクを使って、もう一度コンピュータをリブートしま
  す。そして、設定を聞いてくきたら "Repair" オプションを指定し、セット
  アップを続行します。やらなくてはいけないことはブートセクターを記すこと
  です。レジストリファイルや、セットアップ過程での NT のブート環境を点検
  する必要はありません。

  ファイルマネジャー に行き、View、File Type をクリックします。それか
  ら、system と隠しファイルを見えるようにするためにボックスをクリックし
  ます。そうすればルートディレクトリで BOOT.INI が見えます。

  このファイル(BOOT.INI) をクリックし、 メニューバーの File [ファイル]
  をクリックし、さらにメニューから Properties [属性の変更]をクリックし、
  hidden [隠しファイル]、read only [読み取り専用]、そして、 archive [ア
  ーカイブ] のチェックを解除します ( alt-enter キーを使ってファイルのプ
  ロパティを変更することもできます)。このファイルをバックアップコピー
  し、さらにあなたの編集用にもうひとつコピーを作ります。そのファイルの末
  尾に次の1行を加えます。

       C:\="Linux"

  訳注:[ ]内は WinNT 日本語版に相当する表示です。

  ファイルをセーブし、オリジナルの boot.ini ファイルにそれを上書きコピー
  します。そしてこれらのチェックをもとに戻します、 Read Only、 Archive
  そして System については属性をつけなければいけません。

  リブートすると、OS ローダ画面を表示します。オペレーティングシステムの
  リストの最後に Linux を表示するはずです。矢印キーで移動して Linux を反
  転表示させ、enter を押します。そうすれば、うまくいき、次の段階に進むこ
  とができるでしょう。

  Kurt Swendson

  4.  日本語訳について

  日本語訳についての問い合わせは

       jeanne@mbox.kyoto-inet.or.jp

  日本語訳は Linux-JF プロジェクトの次の方々から多くのご助言を頂きまし
  た。ありがとうございます。

  嶋崎さん yamatori@ab11.yamanashi.ac.jp
  よしみねさん yoshimin@ms.civilnet.com.tw
  いとうさん nozomi@biol.tsukuba.ac.jp
  菊谷さん kikutani@eis.or.jp
  衛藤さん seto@Adobe.COM
  佐藤さん fumiya@yk.rim.or.jp
  松浦さん masa386@yk.rim.or.jp

  訳:中谷千絵 jeanne@mbox.kyoto-inet.or.jp
  1997/05/09