USB レガシーサポート ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Vojtech Pavlik , January 2004 BIOS セットアップメニューで "USB キーボード" や "USB マウスサポート" として 知られているのは、USB マウスや USB キーボードを、あたかも昔ながらの PS/2 マウスや PS/2 キーボードであるかのように使うための機能です。これは、たとえば LILO でタイプするのに USB キーボードを使えるということを意味します。 しかしながら、幾つかの欠点があります。 1) 幾つかのマシンでは、USB マウスがなく本当の PS/2 マウスが存在する場合でも、 PS/2 マウスのエミュレーションがおこなわれます。この場合、実際の PS/2 マウス の追加機能 (ホイール、追加ボタン、タッチパッドモード) は使用できなくなる ことがあります。 2) CONFIG_HIGHMEM64G が有効になっている場合、PS/2 マウスエミュレーションは システムクラッシュを引き起こすことがあります。というのも、SMM BIOS は PAE モードになることを想定していないからです。Intel E7505 は、この問題が 発生する典型的なマシンです。 3) AMD64 64 ビットモードが有効になっていると、これまたシステムクラッシュが 頻発します。というのも、SMM BIOS は CPU が 64 ビットモードになることを 想定していないからです。BIOS 製作者は Windows のみでテストしており、 Windows はまだ 64 ビットではないのです。 解決方法 問題 1) は、PS/2 マウスドライバをロードする前に USB ドライバをロードすることに より解決できます。2.6 では、PS/2 マウスドライバは無条件にカーネルに組み込まれて コンパイルされるので、USB ドライバも組み込む必要があるということになります。 問題 2) は現在のところ、カーネル設定で HIGHMEM64G を無効にするか、BIOS で USB レガシーサポートを無効にするかのどちらかでしか解決できません。BIOS アップデート でうまくいくかもしれませんが、今までのところそのようなアップデートは存在しません。 問題 3) は通常 BIOS アップデートにより解決されます。ボード製作者の Web サイトを チェックしてください。アップデートが得られない場合は、BIOS の USB レガシーサポート を無効にしてください。これだけで問題が解決しない場合は、カーネルコマンドラインに idle=poll を追加してみてください。HLT 命令時と同様に BIOS は SMM になるかもしれ ません。 ------------------------------------------------------------ 翻訳団体: JF プロジェクト < http://www.linux.or.jp/JF/ > 翻訳者: 川崎 貴彦 翻訳日: 2004/02/07